LOH症候群の男性ホルモン補充療法についての話です。
一般的にホルモン補充療法には大きく分けて3つの方法があります。
- 内服薬による補充療法
- 外用薬(塗り薬、貼り薬)による補充療法
- 注射による補充療法
です。
男性ホルモンの補充療法には①の内服治療は殆ど使われません。主に②と③です。
日本で最も一般的に行われる男性ホルモン補充療法は③注射による治療です。男性ホルモンのデポ剤という注射効果が長持ちする物質を加えた注射を一定の間隔で投与します。当クリニックでは、125mgを2~3週間毎もしくは250mgを3~4週間毎に投与を行っています。投与回数は帝京大学病院の泌尿器科などでも行われている方式である10回を1クールとして行います。1クール終了後ホルモン補充療法を終了、1ヶ月後に採血でフリーテストステロン(FT)やLHの測定などによる治療効果の評価を行い、その後の方針を決めて行きます。フリーテストステロン値が改善しLOH症候群の範囲を離脱している場合は、漢方薬やサプリメントなどを用いた維持療法に移行します。フリーテストステロン値が改善しない場合は状況により第2クールを行う場合もあります。この場合もサプリメントなどの補助療法を修正する事によって治療の精度を高める工夫をして行きます。
ホルモン補充の他の方法には②の外用薬による治療があります。日本ではグローミンという塗り薬を一日一回、陰嚢に塗布する方法で治療が行われています。グローミンは当院でも扱っています。外用薬によるホルモン補充療法は、注射薬に比べて効果という面では劣りますが、手軽に行う事ができるという面では優れています。陰嚢に塗るという事に抵抗感がある人は、アゴに塗るという方法もあります。髭剃りでアゴひげを剃る範囲に均一にグローミンを塗布します。この方法でも遜色ない効果が期待できるとの学会報告もあります。『男性ホルモン補充療法を行いたいけれど、どうしても注射が嫌だ』、『近くに男性ホルモン注射を行う病院が無い』などの人もサプリメントとグローミンの併用で治療を行う事が可能です。
男性更年期障害については、
当クリニック、LOH症候群・男性更年期外来のページよりご覧ください。
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