髄膜炎菌ワクチン
メンクアッドフィは、従来の髄膜炎菌ワクチンであるメナクトラの後継品として承認され、
同じ製薬会社から2023年2月に発売されました。
メナクトラより有効成分が増量され、より幅広い年齢の方へ使えるようになりました。
欧州や米国など40か国以上の国と地域において承認されています。
髄膜炎とは?
髄膜炎菌は、細菌性髄膜炎の病原菌ですが、髄膜炎だけではなく敗血症などの重症化するリスクが高い感染症です。
感染ルートはヒトからヒト、飛沫直接感染で拡がっていきます。
発症のピークは0-4歳、15-19歳とされております。
起因菌
・生後3か月以降幼児期
インフルエンザ菌(ほとんどがインフルエンザ菌b型)や肺炎球菌
・大人
60~65%が肺炎球菌、5~10%がインフルエンザ菌(ほとんどがインフルエンザ菌b型)
細菌性髄膜炎の他にも、ウイルスや真菌、また結核などで起こる無菌性髄膜炎がみられます。
どんな症状?
大人の髄膜炎の初期症状は、発熱、頭痛、首の硬直や嘔吐(髄膜刺激症状)
さらに前にはのどの痛み、せき、鼻水など、風邪などの上気道炎と非常によく似た症状が出ることがあります。
髄膜炎は、急性のものと慢性のものでは症状の進行に違いがあります。
数時間のうちに急速に進行していく急性劇症型があり、初期症状が急激に現れる急性のものは特に注意が必要です。
※錯乱(時間や場所がわからない状態)、昏迷(大声で話しかけられたり、揺すられたりしたときのみ反応する状態)、
けいれん発作、発熱・発疹・首の硬直のうち2つ以上がある場合は、ただちに医療機関を受診する必要があります。
頭部CT、MRI、脳波検査、病原検査ができ、症状に迅速に対応できる脳神経外科、脳神経内科、感染症科、子供の場合は小児科を受診しましょう。
予防接種の対象は?
1回0.5mlを筋肉注射します。特に接種が推奨される方は
- 髄膜炎菌感染症の流行地域、(感染リスクが高いところは、髄膜炎ベルトと呼ばれています)
サハラ以南のエチオピア・スーダンからセネガルにわたる地域等に渡航される方。 - 英国・米国などの留学先で髄膜炎菌ワクチンの接種を要求される方
- 学校や職場の寮などで集団生活をされる方
侵襲性髄膜炎菌感染症に対するハイリスク者
脾臓を手術で摘出した方・補体欠損症(C3、5~9)の方
免疫抑制状態にある患者様
※2歳未満の小児に対する安全性および有効性は確立していません。
※2歳未満の子供には、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが定期接種ワクチン(国・自治体が乳幼児に接種を推奨するワクチン)が
生後2か月から接種できるようになっています。
お申込み方法
予約方法
診療時間内であれば予約なしでも接種可能ですが、予約・在庫の関係上接種できない場合もございますので、ご来院前にお電話でご確認いただくことをお薦めしております。
診療時間のご案内
休診日 : 毎週土曜日・祝日
(水曜・日曜午後も休診と致します)
・金曜日のみ21:00まで診療いたします。
・日曜診療を行っております。
予防接種のご案内
海外渡航者向けの予防接種については、専門サイトをご覧ください。
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