花粉症の症状を抑える治療として有効なものに"ヒスタグロビン注射"があります。

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、体がアレルギー反応を起こしているときは、体内で「ヒスタミン」という物質が作られ、それが過剰な生体反応を引き起こしています。
そこで、「ヒスタグロビン」を定期的に注射することでこのヒスタミンへの抗体をつくり、アレルギー反応でヒスタミンが生産されても、耐性ができて反応を抑えられるのです。一時的な効果だけでなく減感作療法としてアレルギー体質を改善していく効果が期待できます。慢性的な花粉症症状でお悩みの方には非常に有効な治療法です。(効果には個人差があります)

「ヒスタグロビン注射」は、非特異的減感作療法と呼ばれ、特定のアレルギー原因物質に対して感受性を低下させる"特異的減感作療法"とは異なり、いずれかのアレルギーの原因に関係なく、アレルギー疾患を体質から改善する根本治療です。
また、ステロイド注射とは違い副作用が極めて少ないことが特徴です。このヒスタグロビンは昭和42年に国内で発売されて以来、一度も感染症を起こしたことのない安全性の高いものです。

週に2回程度の頻度で原則6回の注射を行うことを基本とし、3~4か月間全てのアレルギー反応を大幅に抑えることが期待できます。

ヒスタグロビン注射は同じくアレルギー性疾患に効果を持つノイロトロピン注射※1と一緒に投与すると相乗効果でさらに有効性が高まりますので、当クリニックでは併用治療をお勧めしています。

※1ノイロトロピン注射についてはこちらをご覧ください。
花粉症の話2012 ノイロトロピン注射

特徴

  • ヒスタグロビン注射は非特異的減感作療法であり、各種アレルギー反応を抑制するヒスタグロビンを皮下注射することにより、アレルギーを起こしにくい体質にする根本治療です。
  • 全ての方に同じ効果があるわけではありません。(効果には個人差があります)
  • ヒスタグロビンは生物由来製品であり、ステロイドとは違い、副作用が非常に少ない薬剤です。(まれに眠気、めまい、頭痛、嘔吐などのがあらわれることがあります)

注意点

  • ヒスタグロビンは週に2回程度の間隔で6回続けることを1クールとしており、1クールの期間来院して頂く必要があります。(通院が困難な場合は3回を1クールとする場合もございます。)
  • ヒスタグロビンは国内献血由来の血液を原料とする、特定生物由来製品(生物製剤)に分類されます。※ヒスタグロビンは製造過程において、危険な細菌、ウィルスなど全ての微生物の排除が理論上では十分なされている上、製造検定段階においても、あらゆる微生物検査が厳重に行わております。
  • 激しい喘息、発作があるとき、妊娠中、または妊娠の可能性があるとき、著しく衰弱している方などはこの薬剤は使用できません。
  • 生ワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘ワクチン)の効果獲得に対しても影響を与える可能性があるためワクチン接種からは最低2週間あける必要があります。
  • ヒスタグロビン注射を行なってから生ワクチンを接種する場合は最低3~4ヶ月空ける必要があります。

ヒスタグロビン注射の治療期間

1回1バイアルを週に2回程度の間隔で6回注射します。
※小児は週1回の間隔で3回また6回
上記1クールとして十分に効果が現れない場合は更にもう1クールの注射を行います。

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