男性更年期についての話をします。
更年期障害というと多くの人は女性の更年期障害を想像すると思います。
女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの分泌低下の影響は閉経という目に見える形でも現れるためイメージし易いのですが、男性の場合は閉経に相当する物が無く、男性ホルモン( アンドロゲン または テストステロン )の分泌低下が比較的緩やかである事も相まって「男性更年期」という概念が認識されにくいと思われます。
男性更年期は単に男性ホルモン低下の影響だけを考えれば良いのでは無く、加齢の影響、社会的ストレスの影響を考慮する必要があるため、最近ではLOH症候群(late onset hypogonadism syndrome 加齢男性性腺機能低下症候群)という概念で考えられています。
LOH症候群の診断には専用のチェックリスト - AMSスコア(Heinemann aging male symptoms score)が用いられます。AMSスコアで27点以上は軽度の異常、37点以上は医療機関の受診が必要な中等度以上の異常が示唆されます。
AMSスコアについてはこちらからダウンロードしてご参照ください
主に40歳以上の男性で、上記チェックリスト - AMSスコアでLOH症候群と考えられる場合や、スコアでは該当しないものの「うつ」「無気力」などの精神症状がある場合は是非、当クリニックにご相談ください。診察の上、漢方薬による治療(ツムラ⑦八味地黄丸などを使用します)、SSRIなど軽い安定剤、入眠剤による治療を行います。
また最近の研究では、男性ホルモンの値が低いと
- 糖尿病・高血圧・高脂血症などのメタボリック症候群になりやすい(内臓脂肪が付きやすい)
- 寿命が短くなる傾向にある
など、他の内科的疾患との関連も指摘されています。当院では、男性更年期のみにとどまらずに内科全般を総合的に診て治療をして行くことも可能です。
女性の更年期障害の症状は50~54歳にピークがあると言われています。それに対して男性の更年期障害の症状は個人差が大きいものの、おおよそ55~59歳がピークとなるようです。50歳代後半の男性は社会的にも重要な地位を占めており、そのため時間的にも立場的にも医療機関を受診する事は難しいかもしれません。また、奥様が5歳程度年下の夫婦の場合はご夫婦で更年期のピークが重なってしまう事も少なくありません。
当、代官山パークサイドクリニックでは、男性おひとりでも気軽に受診できる更年期相談。また
ご夫婦で受診されてもお二人に最適な治療を提供できる更年期相談
を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
- LOH症候群の診療方針については、コラム
「私ならこう治す~LOH症候群~」
をご覧ください。 - LOH症候群については、こちらのリンクより
当クリニック、男性更年期外来のページも
ご覧ください。
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