漢方薬は、大きな副作用が少なく即効性があるなどの利点があります。そのため小児に対しても安心して飲ませる事が可能です。感冒や胃腸炎などの急性疾患の治療や、夜泣き・疳の虫などの予防・治療、虚弱児などの体質改善などにも幅広く使う事が出来ます。

小児に漢方を使用する場合の漢方薬の選択の場合も、体質によって処方を選択します。そのため、漢方薬に詳しい医師に診察してもらって体質【証】に合った漢方薬を処方してもらう事が重要と考えます。

また、漢方薬の内服量も小児の場合は成人とは異なりますので注意が必要です。下記に小児に於ける漢方薬の標準量を示します。ただし、これらは長期間内服する場合の量であり、急性疾患などに用いる場合はこの限りではありません。(比較的多めに処方される場合もしばしばあります。)

年齢成人量に対して1日3包のエキス顆粒の場合の1日量
3ヶ月~1/60.5包/日
6ヶ月~1/50.6包/日
1~2ヶ月1/40.75包/日
3~6歳1/31包/日
7~11歳1/21.5包/日
12~15歳2/32包/日

体重換算の場合

投与量=(成人用量)×体重/50

成人一日常用量体重1kgあたりの1日の内服量
7.5g0.15g
9.0g0.18g
10.5g0.18g
15.0g0.30g
18.0g0.36g

小児でも漢方は漢方なので、同じ病名でも体質【証】、体調によって使う漢方薬は違ってきます。(同病異治)また、違う病名でも同じ薬が使われることもあります。(異病同治

また、当クリニックでよく相談をうけるのが、虚弱体質の小児の体質改善についてです。

この場合は体質【証】や症状によっても様々な漢方薬を用いますので一概には言えませんが、最も良く使われるのが、99番・小建中湯(ショウケンチュウトウ)です。出典は漢方薬の最古の書の一つである『傷寒論(ショウカンロン)』、『金匱要略(キンキヨウリャク)』であり、2000年以上前より飲まれ続けた安全な漢方薬です。

慢性的に疲労を訴え、胃腸の調子を崩す事が多く、手足の冷えやほてりがあり、顔色がすぐれない小児には最適な漢方で、長く飲み続ける事によって徐々に虚弱体質が変化していきます。
粳米(コウベイ:米飴のこと)が配合されているため小児にもたいへん飲みやすい漢方薬となっています。

このような症状でお悩みの方は当クリニックにお気軽にご相談ください。

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診療時間 午前10時-14時 / 午後16時-19時[水・土休診]
※金曜は21時まで診療

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岡宮 裕 院長
1990年 杏林大学医学部 卒業 慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科に入局 横浜市立市民病院・静岡赤十字病院・練馬総合病院他 腎臓病・高血圧・糖尿病・血液内科やアレルギー疾患など内科全般の幅広い医療に従事。 代々木上原の吉田クリニックにおいてプラセンタ注射を使った胎盤療法等の様々な領域について研鑽を重ねる。 2009年 代官山パークサイドクリニック 開業 2011年 海外渡航前医療センター 開設

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