LOH症候群をどうやって診断するか、診断の結果どのような治療を行うか、簡単にまとめます。くわしくはこちらのコラムもご覧下さい。
男性更年期障害の治療方針の決定は、男性ホルモンを測定する事から始めます。男性ホルモンの測定には何通りかの方法があります。先ずは男性ホルモンの総量としてテストステロン(T)を測定する方法、テストステロンの中でも実際に働いているホルモンの総量である遊離型テストステロン(フリーテストステロン:FT)を測定する方法があります。また、男性ホルモンをコントロールする役割で脳下垂体から分泌されるLH、FSHを測定し、診断の精度を高める事も必要な場合があります。
男性更年期障害の治療方針で最も重要なのは、ホルモン補充療法の適応があるかどうかを決める事です。
男性ホルモン補充療法(ART)は副作用が少ない良い治療法ですが、比較的長期間に渡る投与が行われる事が多く、療法を行っている間はホルモン値の正確な評価が困難であるなどの理由から投与開始に際しては厳密な基準が存在します。その基準がLOH症候群です。以下にまとめます。
- LOH症候群(フリーテストステロン 8.5未満)
- ホルモン補充療法を治療の中心に据えて治療を行います。漢方、サプリメントなども効果的に組み合わせて治療を行います。
- 境界型LOH症候群(フリーテストステロン 8.5以上 11.8未満)
- 先ずは漢方、サプリメント、安定剤など、ホルモン剤以外での治療を行います。
上記で症状の軽減が認められない場合、もしくは症状が高度の場合はホルモン補充療法を行います。 - LOH症候群に該当しない男性更年期障害(フリーテストステロン 11.8以上)
- 非LOH性男性更年期障害と私は呼んでいます。 - 原則、男性ホルモン補充は行いません。漢方薬、サプリメント、安定剤、EPAなどの血流改善剤などによる治療を行います。
フリーテストステロンの値は、時間経過や身体状況、環境によっても大きく変化する可能性があります。経過観察のうえ、その時点で最適な治療法を選択する事が重要です。
男性更年期障害については、
当クリニック、LOH症候群・男性更年期外来のページよりご覧ください。
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